令和七年九月「生命の言葉」

やまとうたは 人の心を
種として よろづの言の葉とぞ
なれりける
紀 貫之(きの つらゆき)
「やまと歌」(和歌)は
人の心を種として
それがさまざまな言葉と
なったものである。
紀 貫之
平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。加賀介、土佐守などを歴任木工権守(もくのごんのかみ)に至る。醍醐天皇の勅命で「古今和歌集」撰進の中心となり、仮名序(かなじょ)を執筆。歌風(かふう)は理知的で技巧にすぐれ、心と詞の調和、花実兼備(かじつけんび)を説いて古今調をつくりだした。漢詩文の素養が深く、『土佐日記』は仮名文日記文学の先駆とされる。
神道知識の誘(いざな)ひ
「古今和歌集(こきんわかしゅう)」
平安初期の最初の勅撰(ちょくせん)和歌集。二十巻。醍醐天皇の勅命により、紀貫之・紀友則(きのとものり)・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)の四人の撰者が編集して奏上した。仮名と漢文で書かれた二つの序文がある。詠み人知らずの歌と六歌仙、撰者らおよそ百二十七人の歌千百十一首を四季、恋以下十三部に分類して収めたもの。短歌が多く、七五調、三句切れを主とし、縁語(えんご)、掛詞(かけことば)など修辞的技巧が目立つ。優美繊細で理知的な歌風は、組織的な構成とともに後世へ大きな影響を与えた。
今月の祭日
秋季皇霊祭/しゅうきこうれいさい(秋分の日)
宮中三殿のうち皇霊殿において、歴代天皇・皇族の御霊へのお祭りが行われます。
天皇皇后両陛下をはじめ皇族方がご拝礼なされます。