令和五年三月「生命の言葉」 

令和五年三月「生命の言葉」

春風(しゅんぷう)を以って人に接し
秋霜(しゅうそう)を以って自ら粛(つつし)む

佐藤一斎

他人には春風のような
暖かさで接し
秋の霜のような厳しさで
自己反省する
『言志後録』
(『言志四録』の一書)

佐藤一斎

江戸時代後期の儒者。人物としては博識・温厚篤実、朱子学のみならず陽明学にも長けており「陽朱陰王(ようしゅいんおう)」とも呼ばれた。一斎の思想は己れを律する姿勢を窺わしめるものとして幕末武士の間で名声高く、門人には渡辺崋山・佐久間象山など多数おり著書『言志四録』から影響を受けた人物に吉田松陰・西郷隆盛がいる。

神道知識の誘(いざな)ひ

「上巳(じょうし)の節供(せっく)」
三月三日の「桃の節供」のことを古くは上巳の節供と呼び、春を寿ぎ無病息災を願う厄祓い行事でした。上巳(旧暦三月最初の巳の日)は季節の変わり目で、災いをもたらす邪気が入りやすいと考えられていたため、この日に紙や草で作った人形(ひとがた)で自分の体をなで、穢(けが)れを移した人形を川や海へ流して厄を祓っておりました。
人形作りの技術が発展し高級化してくるにつれ、流す人形(ひとがた)から飾る人形(にんぎょう)へと変化し、女の子の「ひな祭り」として定着しました。桃の木は古くから邪気を祓う神聖な木とされ、桃の花を供え無病息災を祈ります。

今月の祭日

春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)(春分の日)
宮中三殿のうち皇霊殿において、歴代天皇・皇族の御霊へのお祭りが行われます。
天皇皇后両陛下をはじめ皇族方がこ拝礼なされます。