令和二年六月「生命の言葉」

令和二年六月「生命の言葉」

令和二年六月「生命の言葉」

水無月(みなづき)の 夏越(なごし)の祓(はらへ)する人は
千年(ちとせ)のいのち 延(の)ぶといふなり

詠み人しらず


半年間を過ごす日々で、知らず識らずのうちに内(心)と外(身)に降り積もる罪(つみ)・穢(けがれ)を祓清め、心身を清浄な形に戻すことで、暑い夏も健康に過ごし、長命を得られると考えられています


神道知識の誘(いざな)ひ

「夏越大祓(なごしのおおはらへ)・茅(ち)の輪(わ)神事」
多くの神社では六月と十二月の晦日(みそか)に、半年間の罪・穢れを祓清める「大祓」が行なわれますが、特に六月の大祓は「夏越大祓」とも言われ、暑い夏を乗り切れるよう無病息災を祈り、神社によっては茅の輪をくぐる神事が行われます。この茅の輪とは『備後国風土記(びんごのくにふどき)』の中で、武塔神(むとうしん)という神が旅の途中、裕福な巨旦将来(こたんしょうらい)と貧しい蘇民将来(そみんしょうらい)に一夜の宿を求めると裕福な巨旦将来は断り、貧しい蘇民将来は快くもてなしました。
武塔神はもてなしに報いて、「われ素戔嗚命(すさのをのみこと)なり。疫病が流行ったら蘇民将来の子孫は腰に茅の輪をつけなさい」と教え、疫病が流行ったとき腰に茅の輪をつけている蘇民将来の子孫は難を逃れたという神話から由来します。現在では大きな茅の輪をくぐり、罪・穢れを祓い無病息災を祈るようになりました。地域によっては小さな茅の輪を玄関にかけ、あるいは「蘇民将来の子孫」と書かれた札を入口に掲げる所もあるようです。
皆様も大祓を行い次の半年間を清々しく新たな気持ちでお迎え下さい。