令和五年二月「生命の言葉」

令和五年二月「生命の言葉」

世の中のことはすべて
心の持ちよう一つで
どうにでもなる

渋沢栄一

神道知識の誘(いざな)ひ

「初午祭(はつうまさい)」
二月の最初の午の日に、全国各地の稲荷神社で五穀豊穣を願い行われる祭事を「初午祭」といいます。これは京都の伏見稲荷大社の御祭神である宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)(倉稲魂神)が、和銅四年(七一一年)二月初めの午の日に稲荷山に降臨されたことに由来します。尚、伏見稲荷大社によりますと「この頃全国的に季候不順で五穀の稔りの悪い年が続いたため、(中略)山背国(やましろのくに)の稲荷山に大神を祀られたところ、五穀大いに稔り国は富み栄えた、この祭祀された日こそが和銅四年の二月初午であった」との見解もあるそうです。稲荷とは「稲成(いねなり)」、つまり稲が成育することを意味し、五穀をつかさどる農業の神様です。稲荷神社は全国各地に三万社あるといわれ、その数の多さからもいかに日本が農耕の国で農業の神様を大切にお祀りしてきたかが伺い知れます。中世から近世へと商工業が発達するに従って、従来のように農業だけでなく、衣食住と諸産業の神様として崇敬されるようになりました。そのため現在の初午祭では五穀豊穣のみならず商工業の発展や商売繁昌も願い祭事が行われています。

「地口行灯(じぐちあんどん)」
地口とは駄洒落(だじゃれ)のことです。江戸の人々は人物名や格言、芝居の台詞などを似た音に置き換える言葉遊びを楽しんでいました。稲荷神社の多い江戸では初午祭に合わせて地口に絵を描き添えた行灯「地口行灯」を飾り寒い夜道を賑やかに灯していました。

地口行灯

今月の祭日

紀元祭(十一日) 本年は、皇紀二六八三年。神武天皇の建国創業をしのび、国の誕生を祝い、国を愛する心を養いましょう。
天長祭(二十三日) 国民の奉祝の万歳で今上陛下のお誕生日をお祝いいたしましょう。