令和三年一月「生命の言葉」

令和三年一月「生命の言葉」

令和三年一月「生命の言葉」

あらし吹く 世にも動くな
人ごころ いはほに根ざす
松のごとくに

明治天皇  ― 明治三十七年歌御会始勅題「巌上松」


 

国歌「君(きみ)が代(よ)」

「君が代」は歌詞が世界で最も短い国歌です。この歌詞の「さざれ石の巌(いはほ)となりて」を「岩音なりて」と勘違いをされている方がいますが、さざれ石(細石)や巌というものが日常の中で見当たらないため無理もありません。都内の神社でも設置されているところがありますので、ぜひ探してみてください。
さざれ石とは学名を「石灰質角礫石(せっかいしつかくれきがん)」と言い、長い時間をかけて石灰岩中の炭酸塩鉱物が雨水に溶け出し、それがコンクリート状になり多くの角礫を結合することで形成されます。
小さな石が集まって繋がって巨岩になるそれが「さざれ石の巌となりて」です。
君が代の歌詞の元となりましたのが古今和歌集の賀歌の巻頭にあります「我が君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」という和歌です。日本国の国歌には、細石が巨岩となり苔がむすほど、千年萬年と尽きることなく子々孫々と国の平安が続きますようにと祈る思いが込められています。

 

神道知識への誘(いざな)ひ

「干支(えと)」
干支とは、十干(じっかん)と十二支を組み合わせた六十周期の数詞のことで、十干十二支とも言います。
十干には、甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)の十種類があり「え(兄姉)」と「と(弟妹)」が交互に訪れることが「えと」と呼ぶ所以と考えられています。
生まれて六十年経て干支の組み合わせが一巡し、生まれた干支に還ることを「還暦」と呼びお祝いをします。
干支は暦だけでなく長寿を皆で祝う指標でもあるのです。

 

今月の祭日

元始祭(三日) 天皇陛下御親ら皇位の始まりを祝うお祭り。全国の神社に於いても宮中に倣い、皇室の繁栄と国家平安を祈ります。
昭和天皇例祭(七日) 皇霊殿と武蔵野陵において、昭和天皇の御霊へのお祭りが行われます。